論述試験「ダメ出しはダメ!」
論述試験で、相談者のできてないところやダメなところなど、あら探しをしてはいませんか?
■理想と現実を探る
相談者はいつもできていないわけではありません。
相談者はダメな人間でもありません。
わかっているはずなのに、なぜか論述試験となると、あら探しばかりしてしまい、なんとなく表現もきつくなってしまいます。
「転職したいと言っているにもかかわらず、求人検索などまったくできていない」
そうならないためには、一度相談者の「こうありたい」を見つけるところからスタートするのもよいかもしれませんね。
「転職を希望しているが、何から手を付けて良いかわからず、具体的な方策やプロセスを知らないでいる」
相談者の「こうありたい」という理想に耳を傾けることで、できていない部分も相対的に明確になってきます。そこのギャップを埋めるのが、私たちキャリアコンサルタントの役割なのです。
■枠組みから考える
また、キャリア形成支援のプロセスや、環境などへ目を向けることで、いくつかの枠組みで支援の方向を考えることもできそうですね。
自己理解→自分の強みが整理できていない、仕事に生かせる能力を把握できていない、最初の一歩が踏み出せないことから自己肯定感が低くなっている
仕事理解→新しい部署での具体的な仕事について聞いていない、勝手な憶測だけで仕事を決めつけ応募の枠組みを狭めている
相談ができていない→上司や同僚に相談できていない、家族に相談していない、支援団体に相談していない、メンタル不調について相談できていない
環境の整備→仕事の量が多すぎ、今後について考える時間の確保ができていない。地方での働き方について情報収集ができていない。
それ以外にも、ご自分の考えるべき枠組みを準備しておき、常にそこに書き込む練習を積んでみるのもよいですね。
■専門家として表現をする
論述試験でよくあるのが、状態や状況を示すもの。
「専業主婦の妻に相談できずにいる」
「地方の求人を知らないでいる」
私たちはキャリアコンサルタントですので、その状態からどのようなことが問題なのか、専門家として問題点を書くことも大切です。
「専業主婦の妻に相談できず、家庭のなかでも孤立しているため、周囲からの支援が受けられないでいる」
「地方の求人を知らず、楽観的な憶測だけで会社を辞めようとしており、現実吟味ができていない」
問題点を明確にすると、次の方策へと続けることができます。もう一歩、最後まで粘って書いてみて下さいね。